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アレルギーの基礎知識

What is Allergy?アレルギーの基礎知識

アレルギーの基礎知識のご紹介

監修:阪口雅弘(東京環境アレルギー研究所 所長,麻布大学名誉教授)

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    Q1アレルギーって何?
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    A1異物に対する体の過剰反応です
    体にとって害のある細菌やウイルスなどに対抗するために備わっているのが免疫というシステムです。
    この免疫システムが本来は体に害のない食べ物などに過剰反応してしまうことをアレルギーと呼びます。
    特に激しい全身症状をアナフィラキシーと呼びます。
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    Q2アレルギーの原因って何?
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    A2アレルゲンと呼ばれる物質です
    アレルギーの原因物質をアレルゲンと呼びます。
    アレルギーの原因は人によって異なり、食べ物、花粉、ペット、ダニ、カビなど多岐にわたります。
    アレルゲンの多くはこれらに含まれる特定のタンパク質です。

■ 主なアレルゲン

  • グルテン
    グルテン
  • カゼイン
    カゼイン
  • OVA
    OVA
  • Der f 1
    Der f 1
  • Cry j 1
    Cry j 1
  • Fel d 1
    Fel d 1
  • Can f 1
    Can f 1
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    Q3アレルゲンってどういうもの?
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    A3性質はアレルゲンによって大きく異なります
    アレルゲンごとに、存在する場所・構造・安定性などの性質は大きく異なります。

    例えば、喘息の原因の一つであるコナヒョウヒダニの主要アレルゲンのDer f 1はダニの糞に多く含まれ、熱に対して比較的不安定です。一方、Der f 2はダニの体に多く含まれ、熱に対して安定です。

    スギ花粉の主要アレルゲンCry j 1は花粉外殻に、Cry j 2は花粉細胞内に多く含まれています。そのままではアレルゲンは外に出てきませんが、鼻粘膜に接触したり、つぶされたりすると花粉がはじけ(脱皮)、花粉からアレルゲンが放出されます。

    猫の主要アレルゲンのFel d 1、犬のCan f 1は唾液腺から分泌されますが、毛づくろいによって全身の毛や皮膚に付着するので、抜け毛やフケとともに飛散しやすい性質があります。

■ アレルゲンの局在

  • ダニ
    ダニ
  • ネコ
    ネコ
  • イヌ
    イヌ
  • スギ花粉
    スギ花粉
    矢印
  • 粘膜、雨などと接触、破損して花粉殻が割れる(脱皮)
    粘膜、雨などと接触、破損して花粉殻が割れる(脱皮)
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    Q4アレルギーが起こる仕組みを詳しく教えて!
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    A4IgEという抗体がかかわっています
    アレルゲンが体に入ったときに体にとって良くない物と判断されると、アレルゲンに対応したIgE抗体というタンパク質が作られるようになります。IgE抗体はマスト細胞という免疫細胞の表面に結合して、アレルゲンを待ち構えるようになります。
    この状態で再びアレルゲンが体の中に入ってくると、アレルゲンとIgE抗体が結合し、それを感知したマスト細胞からヒスタミンなどの物質が放出され、かゆみ・鼻水・くしゃみといったアレルギー反応を引き起こします。
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    Q5IgE抗体?抗体って何?
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    A5免疫グロブリン(Immunoglobulin)とも呼ばれる 特定の物質(抗原)と結合するタンパク質の総称です
    抗体は、私たちの体の免疫で重要な働きをするタンパク質で、B細胞という免疫細胞によって作られます。
    抗体は特定の物質と結合する能力を持ち、結合する相手を抗原と呼びます。抗原の中でも特にアレルギーを引き起こす原因となるものをアレルゲンといいます。

    抗体は、Y字型をしていて、Y字の下部分の構造は定常領域といい、構造は一定です。
    一方、Y字の上側先端部分は可変領域と呼ばれ、抗体が作られるときに様々な構造をとります。
    可変領域の構造によって、抗体Aは抗原aと、抗体Bは抗原bと、というように抗体は抗原と特異的に結合します。

    抗体は定常領域の種類によってIgG, IgA, IgM, IgD, IgEの5種類に分類され、それぞれ免疫機能での役割が異なります。
    この5種類の抗体の中で、アレルギー反応に重要な役割を担うのがIgEです。

■ 抗体

  • 抗体の構造
  • それぞれの抗体は対応する抗原以外とは結合できません
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    Q6アレルゲンってどうやって検出するの?
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    A6サンドイッチELISAを用いるのが一般的です
    サンドイッチELISA (Enzyme-linked immunosorbent assay)という方法が一般的に用いられます。
    アレルゲンに特異的に反応する二種類の抗体を使ってアレルゲンを検出・定量します。
    簡便な検出方法としては、イムノクロマトグラフィ法などもあります。

■ サンドイッチELISAの原理

サンドイッチELISAの原理

■ ITEAでは主に以下のアレルゲンを測定しています。

  • ダニ
    ダニ
  • 花粉
    花粉
  • 犬
  • 猫
  • カビ
    (アルテルナリア、
    アスペルギルス)
    カビ(アルテルナリア、アスペルギルス)
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    Q7ELISAでアレルギー症状の原因を調べられる?
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    A7まずは医療機関の受診をお勧めします
    ELISAでは特定のアレルゲンの有無や量を測定することはできます。しかし、アレルゲンが検出されたからといって、それがアレルギーの原因だと保証するものではありません。
    アレルギーの原因・症状は人によって様々です。
    そのため、まずはどのアレルゲンが原因でアレルギーを発症しているのか専門の医療機関で診断してもらいましょう。
    診断のためには、血液中のIgE抗体を調べる血液検査、アレルゲンを皮膚に貼り付けて反応を見るパッチテスト、実際にアレルゲンに暴露して反応を見る誘発テストなどの検査を行います。