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2025.04.10

パナソニック社との共同研究「帯電微粒子水照射によるスギ花粉 (Cryptomeria japonica)とコナヒョウヒダニ (Dermatophagoides farinae)およびアレ ルゲンの不活化」が室内環境の4月号に掲載されました。

パナソニック社との共同研究「帯電微粒子水照射によるスギ花粉 (Cryptomeria
japonica)とコナヒョウヒダニ (Dermatophagoides farinae)およびアレルゲンの不活
化」が室内環境の4月号に掲載されました。

帯電微粒子水にはヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種が含まれており、ウイル
スの構成タンパク質および遺伝子を破壊し、ウイルスを不活化することが知られてい
る。本研究では、帯電微粒子水がアレルゲンにも不活化効果があるかどうかを検証し
た。最初に日本におけるアレルギーの主要な原因となるスギ花粉アレルゲン(Cry j
1)とコナヒョウヒダニアレルゲン(Der f 1)に対する帯電微粒子水の効果をドット
ブロット法で調べた。その結果、2時間の帯電微粒子水への曝露により、PVDF膜上の
Cry j 1とDer f 1は不活化した。次に、スギ花粉および生きたダニを帯電微粒子水に
曝露し、生死に影響があるかどうかを調べた。スギ花粉は曝露時間の経過とともに脱
皮能力を失い、72時間の処理後にはすべての花粉が脱皮能力を失った。また、ダニは
帯電微粒子水に曝露されることで時間の経過とともに死んでいき、12時間後にはほぼ
すべて死亡した。さらに、帯電微粒子水曝露後に花粉およびダニから抽出されたアレ
ルゲン量は、無処理群と比較して大幅に減少した。本研究の結果から、帯電微粒子水
はアレルゲンを不活化するだけでなく、花粉やダニ自体にも影響を及ぼし、アレルギ
ーを不活化できる可能性が示唆された。