岡山大学、麻布大学、北里大学、東京工業大学、長崎国際大学等との共同研究「アトピー性皮膚炎の犬におけるStaphylococcus pseudintermediusに対するIgE反応性および細菌のIgE反応性分子としてのDM13ドメイン含有タンパク質の同定」の論文Heterogeneous IgE reactivities to Staphylococcus pseudintermedius strains in dogs with atopic dermatitis, and the identification of DM13-domain-containing protein as a bacterial IgE-reactive moleculeが2022年2月にFEMS Microbiology Letters (DOI: 10.1093/femsle/fnac019)に掲載されました。
アトピー性皮膚炎の犬におけるStaphylococcus pseudintermediusに対するIgE反応性に関する最新の研究結果を東京環境アレルギー研究所と岡山大学、麻布大学、北里大学、東京工業大学、長崎国際大学等の共同研究チームが発表した。S. pseudintermediusは、犬の皮膚感染症を引き起こす主要な病原体の1つです。犬のアトピー性皮膚炎(AD)では、S. pseudintermediusは皮膚部位に存在する。この研究ではAD犬における様々なS. pseudintermedius菌株に対するIgEの反応性を調べたところ、これらの菌株の10〜63%に対してIgE反応性を示した。次にS.pseudintermediusの菌株とIgE反応性分子を調べた。ウエスタンブロット分析では、IgEに反応するタンパク質が4つ以上存在した。さらなるIgE反応性の分析によって15 kDaのタンパク質はDM13ドメインを含むタンパク質であり、IgE反応性があることを確認した。S.pseudintermediusは犬のAD重症度を悪化させる可能性があることが分かった。本研究成果は、犬のアトピー性皮膚炎の予防法や治療法開発の一助となると期待される。
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